皆さんアジ(鯵)はお好きでしょうか?
アジは手ごろな価格で買うことができますし、日本の食事に広く浸透している魚といえます。
アジのたたき、塩焼き、アジフライ。アジだけで代表的なおいしい料理がいくつかありますが、皆さんはアジを家で捌いて調理したことはあるでしょうか。
実際魚を丸ごと1匹買ってきて捌くのは結構手間ですし、何より内臓とか取り除かなきゃいけないようなグロテスクな作業を伴うことから敬遠している方は多いと思われます。
ですがアジは活きのいいものを買って自分で調理すればご家庭でも十分美味しいものができます!
今回は魚を捌いたことがないけど、捌いてみたい!という方のために、初心者に優しいアジの捌き方を詳しく説明したいと思います。
ついでにアジの人気料理、「アジフライ」の作り方についてもご紹介したいと思います!
アジの捌き方~3枚おろしのやり方を写真つきで解説~
アジは比較的小さい魚で内臓も少ない方です。こいつを攻略できれば他の魚に対しても同じ要領で捌けるものが意外と多く抵抗感が無くなっていくことでしょう!
というわけで、アジの捌き方を詳しく見ていきましょう。
まずはアジを捌くのに必要な道具と大まかな手順について書きます。
【準備するもの】
- アジ
- 出刃包丁
- 鱗取り (なければ出刃包丁でOK)
- 骨抜き
- まな板
- キッチンペーパー
【アジを捌く手順】
- ぜいごを切りとる
- 鱗を引く
- 頭を切りって内臓を取り出す
- お腹を開いて内臓残りを搔き出す
- 血合いに包丁を入れて全体を水洗い
- キッチンペーパーで水気をよくふき取る
- 3枚おろしにする
- 腹骨を包丁ですき切りにする
- 骨抜きで小骨を抜く
まず魚を捌くのに出刃包丁が必要です。一般家庭で使用する文化包丁でも捌けないことはありませんが、魚を捌くのに特化した出刃包丁を使ったほうがキレイに捌けるのであった方がよいでしょう。
ではアジの捌き方を順に追って説明します。
1.ぜいごを切り取る
「ぜいご」って何?というところからかと思いますが、ぜいごとはアジの両側面に伸びているギザギザとした突起を持つ固い鱗のことです。
これは食べる時に邪魔になるので包丁で削ぎ切っておきます。
2.鱗(うろこ)を引く
鱗を引く際は、専用の「鱗取り」の道具があればそちらを使って鱗を取ります。道具がない場合は出刃包丁の刃先を左右にスライドさせて鱗を剥がしていきます。
アジは比較的鱗が少なくやわらかい方です。
とはいえ、ある程度の固さはあり、包丁で剥がすと剥がれた鱗が飛び散ることがあるのでシンクの中を使って作業するのがいいでしょう。
3.頭を切りって内臓を取り出す
胸びれが頭と一緒に切り落とされるように、頭の付け根から腹に向かって斜めに切り込みを入れます。反対側もおなじように。
この時お腹側には内蔵が繋がっているので、切り離さないように注意します。
そのまま頭を内蔵と一緒に引き抜きます。
4.お腹を開いて内臓残りを搔き出す
内臓周りをキレイにするため、おなかを開いて残りを搔き出します。
開くときは肛門から頭にかけて切り込みをいれます。
お腹(白い部分)を尻尾の方に向かってみていくと、小さいポッチが見えるので、これが肛門になります。(包丁の刃先にある部分)
お腹を開いたら内臓の残りを包丁で搔き出します。
5.血合いに包丁を入れて全体を水洗い
内臓があった部分を見ると背骨があるのがわかります。
この背骨周りには赤黒く固まった「血合い」と呼ばれるものがくっついています。これも残ったままだと生臭くて味にも影響するので、包丁の刃先でザリザリと切れ目を入れる感じで取り除いておきましょう。
ある程度取れたら一度全体をキレイに水洗いします。
特に内臓周りは赤い部分がなるべく残らないように洗いましょう。
アジを洗ったら、調理に使ったまな板・包丁も一旦キレイに洗っておきます。
内臓処理をした道具なんかでそのまま調理すると生臭さが身に残ってしまうので注意です。
6.キッチンペーパーで水気をよくふき取る
一通りキレイになったらキッチンペーパーでアジの水気をよくふき取ります。
まな板と包丁も併せて水気をとります。
7.3枚おろしにする
いよいよ3枚おろしの時間です!
①まずは尻尾が左側に来るようにお腹側を手前にしてアジを置きます
②手前の腹に、中骨に沿って頭の方から尻尾にかけて包丁を入れます
一度浅い切れ込みを尻尾に向かって入れ、2回目はその切れ込みに沿って深く刃を入れる感じ。
③180度回転させて尻尾から頭にかけて中骨に沿って包丁を入れて半身を骨から外します
★中骨に沿って包丁を入れる時は、包丁の刃先をやや下に傾けて骨を軽く削り取るイメージで切ると骨についている身がキレイに剥がせます。
④次に反対側の身を外します
尻尾が左側になるように置いて背中側が手前来るようにします
⑤手前の背中に、中骨に沿って頭の方から尻尾にかけて包丁を入れます
⑥180度回転させて尻尾から頭にかけて中骨に沿って包丁を入れて半身を骨から外します
⑦これで3枚おろし(右身・中骨・左身)の完成です!
8. 腹骨を包丁ですき切りにする
おろした2枚の身に固くて長い腹骨(肋骨)が何本か付いているので包丁を使って薄くすき切りにして取り除きます。
A B
C D
E
Aの写真の赤い点線部分に骨が斜めに付いているので、包丁を逆さに持ってBの写真のように刃を上に向けてまずは骨の先端部分を身からすきあげて浮かせます。
Cの写真で刃先を下に戻して浮かせた骨の部分から薄くスライスして骨部分だけを切り剥がします。Dのようにある程度切り込んだら骨が付いた部分を左側にペラっと返してやります。
最後にEのように皮ごと骨部分を切り離します。
※もう1枚の身も同じ手順で腹骨を切り取りましょう。
9. 骨抜きで小骨を抜く
腹骨のほかに、身の血合いに沿って小骨が入っています。
こちらも食べるときに邪魔になるので「骨抜き」の道具を使って抜いておきましょう。
身の中央の赤くなっている血合いのラインに沿って小骨があります。指でラインをなぞると骨が当たる感触がわかるので、それを1本ずつ確かめながら骨抜きで抜いていきます。
骨を抜くときは、指で骨の両側の身を押さえて抜き取ります。
小骨は1cm~3cmくらいの長さがあり、道具を使わないと取りずらいです。
一度爪で無理やりトライしましたが、身はぐちゃぐちゃ、爪はボロボロでいいことはありません;
百円均一ショップでも売ってますので、できればこちらも揃えておきたいところです。
アジフライの美味しい作り方
ここまででアジのさばき方と3枚おろしの手順を説明させて頂きました。
「せっかくだから捌いたアジを美味しく食べよう!」ということで、アジの人気メニューであるアジフライを、先ほど捌いたアジを使って調理するやり方をご紹介します!
※生で食べる調理はまたの機会に。
【準備するもの】
- アジ(3枚におろした身)
- 塩
- 生姜
- 卵1個
- 薄力粉
- パン粉
【アジフライの調理手順】
- 3枚におろしたアジを用意
- 身についた水気をふき取る
- 身側(皮のない方)に全体に軽く塩を振ってすりおろした生姜汁を全体になじませる
- キッチンペーパーを敷いて皮を上にして身を乗せる(30分)
- 薄力粉を薄くアジにまぶす
- 混ぜた卵に浸ける
- パン粉に粉チーズを混ぜてアジにまとわせる
- 180度の油で片面30秒ずつ、両面を揚げる
- 取り出して余熱で仕上げる
それではアジフライの調理手順を1つずつ見ていきましょう!
1.3枚におろしたアジを用意
アジは記事の最初で紹介した方法で3枚おろしにして2枚の身を取り出します。
2.身についた水気をふき取る
アジフライにする前には、アジの身に付いた水気をふき取っておきましょう。
3.身側(皮のない方)に全体に軽く塩を振ってすりおろした生姜汁を全体になじませる
塩と生姜の役割は、生臭さを取るのと身が締まって旨味が凝縮しふっくら仕上がるようにするため。
4.キッチンペーパーを敷いて皮を上にして身を乗せる(30分)
塩を振ると身の水分がしみだしてくるので、キッチンペーパーで吸収させます。
5.薄力粉を薄くアジにまぶす
薄力粉を全体に薄くまんべんなくまぶします。
あまり付けすぎず余分な粉は落としましょう。
6.混ぜた卵に浸ける
卵をよくかき混ぜ、薄力粉をまぶしたアジを入れます。
★卵は白身を切るように混ぜ、ダマがなくなるまでかき混ぜる。ダマが残っていると身に卵が付きません。
7.パン粉に粉チーズを混ぜてアジにまとわせる
卵をまとった身に粉チーズを混ぜたパン粉をまとわせます。
できれば生パン粉があると食感がよくなります。また、パン粉に粉チーズを混ぜるとコクが出てさらに美味しくなります!
パン粉の上にアジの身をセットして更に上からパン粉を被せるようにして埋める。
パン粉でサンドしたアジを手で少し力を入れて押さえつけて全体にパン粉がしっかり付くようにする。
8.180度の油で片面30秒ずつ、両面を揚げる
鍋にサラダ油を火にかけて、180度に熱する。
★180度の目安は、卵の液を箸でつまんで油に投入した時、途中まで沈んでから浮き上がって気泡を出す程度です。油に入れてから浮き上がるまで約0.6秒程度の感覚で。
※卵液が沈んだまま浮いてこない場合(170度以下)や、油に入れた瞬間(約0.3秒以内)にすぐ浮いた場合(190度以上)は温度が違うので揚げる時間が変わるので注意です。
アジの皮を上にして油に投入します。
※皮を下にしてから揚げると縮んで焦げやすくなるためです。
30秒後、ひっくり返して更に30秒揚げます。
9.取り出して余熱で仕上げる
後は取り出して1分ほど経ったら出来上がり♪
アジフライを食べてみた感想
今回ご紹介した方法でアジフライを作りましたが、自分で捌いたアジを家庭で調理すると格別の旨さがあります!
揚げたてのさくっとした食感に、ふっくらとした白身、ほのかな塩気とコクをプラスした堪らない美味しさでした♪♪
スーパーの惣菜でアジフライは何度か買ったことはありますが、鮮魚から捌いて調理したアジフライは
「全然別物です!」
最初は酒の肴にでも、と思って作りましたが、
「そんなの勿体ない!」
白飯でしょう!!
確かにこれは人気のメニューになりますよね^^
【まとめ】
今回はアジの捌き方とその調理例を説明させていただきました。
【アジを捌く手順】
- ぜいごを切りとる
- 鱗を引く
- 頭を切りって内臓を取り出す
- お腹を開いて内臓残りを搔き出す
- 血合いに包丁を入れて全体を水洗い
- キッチンペーパーで水気をよくふき取る
- 3枚おろしにする
- 腹骨を包丁ですき切りにする
- 骨抜きで小骨を抜く
【アジフライの調理手順】
- 3枚におろしたアジを用意
- 身についた水気をふき取る
- 身側(皮のない方)に全体に軽く塩を振ってすりおろした生姜汁を全体になじませる
- キッチンペーパーを敷いて皮を上にして身を乗せる(30分)
- 薄力粉を薄くアジにまぶす
- 混ぜた卵に浸ける
- パン粉を付ける
- 180度の油で片面30秒ずつ、両面を揚げる
- 取り出して余熱で仕上げる
アジは地方によって旬の季節もまばらで入荷しやすい魚です。値段も200~300円と手ごろで取り扱っているお店も多いようです。
是非機会があればご家庭でアジの調理を実践されてはいかがでしょうか♪