全世界で新型コロナウイルスが猛威を振るっている中、遂に日本でも4月7日に「緊急事態宣言」が発令されました。
これによって私たち社会人にどのような影響があるでしょう。
緊急事態宣言によって、仕事をされている方は休業になったり営業を自粛せざるを得ない方も大勢いらっしゃることでしょう。
ここでは、緊急事態宣言によって給料保証や休業など、仕事がどうなるかについて調べてみました。
<結論>
- 緊急事態宣言による休業では会社から休業手当が支給されない可能性が高い
- 休業手当は出ないが一定の収入減の方を対象に国から給付金支給あり
- フリーランス・個人事業主・中小企業には大幅収入減の場合国から給付金支給あり
目次
緊急事態宣言とは何か?分かりやすく説明
緊急事態宣言(非常事態宣言ともいう)は、災害や疫病・テロなどによる国家の危機に対して政府が特別法を発動することです。
日本の歴史上、緊急事態宣言が取られた例を見ると、
- 福島第二原子力発電所に対しての原子力緊急事態宣言(2011年)
- 太平洋戦争開戦(1941年)
などが挙げられます。
福島第二原発の緊急事態宣言では内閣総理大臣に全権が集中し、政府だけでなく地方自治体・原子力事業者を直接指揮することも可能になりました。
また、災害拡大防止や避難指示、自衛隊の部隊派遣要請なども行えるようになっていました。
では今回の新型コロナの緊急事態宣言ではどういった措置が取られるのでしょうか?
ここでは、緊急事態宣言によって仕事にどういった影響があるか?給与保証や仕事が休みになるかどうかも調査しました。
東京都の新型コロナによる緊急事態措置
緊急事態宣言によって業種ごとに対応内容が異なります。
緊急事態宣言で身の回りの活動がどう変わっていくのか見てみましょう。
- ロックダウン(都市封鎖)は実施しない
- 都民に対しては不要不急の外出を控えるよう要請
- 事業者に対しては施設毎に要請内容異なる
事業者別要請内容と対応状況
まずは業者ごとの今後の対応方針を紹介していきます。
商業施設・大学・学習塾・娯楽施設・遊戯施設への緊急事態措置
基本的には「休止を要請」するものとしています。
特にカラオケ・パチンコ店・キャバレー・ナイトクラブ・バーといった遊戯・娯楽施設には「特に強く休止を要請」されます。
但し休止要請といっても強制力はないので施設毎各自の判断で営業を続けるところが出てくると予想されます。
新型コロナの影響でどこも確実に売り上げが減っていますので、生活が掛かっている以上やむを得ず営業する店舗は多いでしょう。
4月8日現在では、自主的に5月6日までの1か月間営業自粛を取る店舗も増えてきています。
幼稚園・小学校・中学校・高校への緊急事態措置
こちらも「休止を要請」するものとしています。
都立高校は4月1日の時点で一斉に休校延長することを決めておりますが、幼稚園や小中学校は場所によって対応がまちまちです。
こちらもあくまで「要請」なので強制力はなく、各校ごとの判断に委ねられます。
今回の緊急事態宣言を受けて高校と同じく休校期間を延長することになると予想しています。
保育所・高齢者施設への緊急事態措置
保育所や障害者施設、老人ホームなどの高齢者施設には、「感染防止対策の協力」を要請するのみとしています。
東京都の保育園についても対応が決まっていないところが多いです。
例えば認可保育園でいうと、渋谷区では原則休園とされますが、23区内の保育園ではまだ対応が決まっていません。
また、葛飾区ではできる限り家庭での保育を呼び掛けつつ開園はさる、といったところです。
スーパー・ドラッグストア・病院・公共交通機関への緊急事態措置
生活に必要なものを取り扱うスーパーマーケットやドラッグストア、交通手段である公共交通機関のバスや鉄道事業者に対しては「感染防止対策の協力を要請」したうえで「業務の継続を要請」するとしています。
コンビニ各社の対応
コンビニについては各社とも従来通り営業すると決めているようです。
各店舗ともオーナーと相談し営業時間短縮や休業措置を取ることも検討するとのことです。
ファミレスの対応
ファミレスの場合は休業、若しくは時短営業を店舗ごとに実施されることが予想されます。
お店によってはこれを機にテイクアウトを拡充して店内感染のリスクを抑えつつ売り上げを伸ばそうとする商魂逞しい業者もいらっしゃいますね。
軽減税率でテイクアウトは10%ではなく8%になるということもあり、持ち帰りの場合は店内で食べるより価格を下げるところも増えてきています。
運送業者<ヤマト・佐川・日通・福山・西濃・郵便>の対応
運送業者各社とも通常通り営業となります。
ヤマト運輸・佐川急便・日本通運・福山通運・西濃通運は新型コロナ対策の特別措置法によって指定の公共機関に指定されています。
そのため、政府から医薬品・医療機器を運送するよう指示があった場合には対応することになります。
日本郵便も通常通り営業する予定で、緊急事態宣言の内容により別途対応を検討するとしています。
都内タクシー
こちらも通常通り営業する方針です。
但し状況により台数を減らすなど対応を取るとのことです。
通信事業者3社<au・ソフトバンク・DOCOMO>の対応
通信事業3社は既に時短営業を開始しております。
こちらも新型コロナの特別措置法により通信の確保が義務付けられています。
東日本大震災では移動電源車百数十台、車載型携帯電話基地局40台以上を被災地に配備するなどの対応がされています。
緊急事態宣言が出た場合仕事はどうなる?給料保証や休めるかどうかについて
では私たち社会人に直接関係してくるお仕事の給料と休業について見てみましょう。
結果から言うと、
- 年収が非課税水準以下に下がる場合自己申告で30万円給付
- 大幅な減収で年収ベースで非課税水準の2倍以下になる場合自己申告で30万円給付
- 大幅に収入が減るフリーランスを含む個人事業主には100万円給付
- 大幅に収入が減るフリーランスを含む個人事業主には100万円給付
- 緊急事態宣言による休業では会社から社員に休業手当は支払われない可能性大
- 緊急事態宣言に強制力はないため基本的に会社は休みにならない
緊急事態宣言での給与(収入)保証一覧
新型コロナウイルスによって企業や個人事業主、会社員でも収入が減ってしまったという方はいらっしゃるでしょう。
今回の緊急事態宣言で、そういった生活に支障の出る減収に見舞われた方を対象に現金給付が実施されることが決定されました。
≪現金給付が受けられる条件一覧≫
給付条件 | 給付額 | |
独身世帯 | 年収が非課税水準(100万円)以下に減った場合 月収:8万3,300円以下 |
30万円 |
3人世帯 (夫婦+子1人) |
年収が非課税水準(205万円)以下に減った場合 月収:17万800円以下 |
30万円 |
4人世帯 (夫婦+子2人) |
年収が非課税水準(255万円)以下に減った場合 月収:21万2,500円以下 |
30万円 |
独身世帯 | 大幅な減収で年収ベースで非課税水準の2倍(200万円)以下になる場合 月収:16万6,600円以下 |
30万円 |
3人世帯 (夫婦+子1人) |
大幅な減収で年収ベースで非課税水準の2倍(410万円)以下になる場合 月収:34万1,600円以下 |
30万円 |
4人世帯 (夫婦+子2人) |
大幅な減収で年収ベースで非課税水準の2倍(510万円)以下になる場合 月収:42万5,000円以下 |
30万円 |
今年1~3月のうちいずれかの月収が前年比半分以下になっているフリーランスを含む個人事業主 | 最大100万円 (減収分補填) |
|
今年1~3月のうちいずれかの月収が前年比半分以下になっている中小企業 | 最200万円 (減収分補填) |
こちらは全て返済義務のないものとなります。
会社員の休業による手当はあるか?
新型コロナ感染拡大に伴い、自分の会社が休業対応とすると決めた場合はどうなるか?
残念ながらこの場合休業補償は出ない可能性が高いです。
一般的に休業手当が支払われるケースと支払われないケースを見ていきましょう。
- 使用者の責めに帰すべき事由あり:休業手当の支払い必要
- 使用者の責めに帰すべき事由なし:休業手当の支払い不要
簡単に言うと、①会社の都合で休業となった場合は手当が支払われますが、②会社の都合に関係なく休業せざるを得なくなった場合は支払いの必要がありません。
例えば①の場合ですと、
- 発注の手違いで部品の調達ができず工場の稼働停止
- 飲食店で食中毒を起こして営業をストップ
こういった場合は会社の責任で休業となるので手当が支払われます。
②の場合の例では、
- 台風・地震・大雪などの自然災害で出社や企業活動ができない
- 疫病やテロ・事件に巻き込まれた
こういった場合では会社の事情とは関係なしにやむを得ず休業せざるを得ないので、こういった場合には手当は支給されません。
今回の新型コロナによる緊急事態宣言の場合では、②のケースにあたるため休業手当の支給は難しいでしょう。
緊急事態宣言が出された場合休めるか?
緊急事態宣言が出されたことで会社員の方でも「これで強制的に休業になるから休めるぞー!」と言ってる方がいます。
残念ながら、緊急事態宣言には休業を強制するなどの権限はなく各企業ごとの判断に委ねられているんです。
優良企業の中には、一定期間有給の休業にして実質休暇とするところもあるみたいですが、果たしてどれだけの会社がそこまでしてくれるでしょうか…(どこもそうしてほしいんですけどね^^;)
頑張る会社はテレワークを導入してできるだけ社員の出社を制限したり、時差勤務で人と接触する機会を減らしたりしています。
ですが多くの企業はそうもいかず、いつも通りの仕事をさせられてしまうのだと思われます。
緊急事態宣言発令後の仕事についてまとめ
- 年収が非課税水準以下に下がる場合自己申告で30万円給付
- 大幅な減収で年収ベースで非課税水準の2倍以下になる場合自己申告で30万円給付
- 大幅に収入が減るフリーランスを含む個人事業主には100万円給付
- 大幅に収入が減るフリーランスを含む個人事業主には100万円給付
- 緊急事態宣言による休業では会社から社員に休業手当は支払われない可能性大
- 緊急事態宣言に強制力はないため基本的に会社は休みにならない